case25

ドップラーライダーStarlink衛星通信でのデータ通信テストについて

概要

山梨支社の試験場で離島導入を見据えた実証に成功

株式会社NTシステムズ(山梨支社)は、ドップラーライダーを用いた風況観測において、Starlink衛星通信を活用したデータ転送の実証試験を山梨支社試験場にて実施しました。本試験は、通信インフラの乏しい離島地域への展開を視野に、地上系ネットワークに依存しない風況データの送信手段を検証することを目的としています。

商用電源によるテストと風車給電の計画
今回のテストは、商用電源を用いた環境で実施されました。Starlink通信機器の動作やデータ送信の安定性を確認する上で、十分な電力供給条件下での検証が重要であると判断されました。

一方、今後実施を予定している離島での運用では、既設の風力発電設備から電源を供給する計画です。ただし、Starlinkアンテナには冬季にヒーターが自動稼働する機能があり、これにより一定以上の電力が安定的に供給されないと動作不良を起こす可能性があります。こうした点については、今後の導入に向けた技術的な課題として検討されています。

通信量と寒冷地での課題
さらに以下のような課題も明らかになりました:

通信量の制限:ドップラーライダーが生成する風況データは大容量であり、Starlinkの標準プラン(50GB/月以下)では通信制限のリスクがあります。

アンテナの耐寒性能:Starlinkアンテナは自動追尾式でサーボ機構を内蔵しており、低温下での動作安定性にも懸念があります。

離島観測へのステップへ
今回の成果を踏まえ、今後は実際に離島での実証試験が予定されており、Starlinkを用いた無線通信と再生可能エネルギーを組み合わせた柔軟な観測体制の構築が期待されています。

NTシステムズは今後も、風力発電の導入評価や気象モニタリングにおける技術革新を進めてまいります。

場所
山梨支社
観測期間
2025年2月~2025年6月

Contact us

NTシステムズへのお問い合わせは、電話またはメールフォームから
03-5256-7725
受付|平日 9:00 〜 18:00