概要
東北の日本海沿岸近くに位置する風力発電サイトにおいて、冬季の風車ブレードへの着雪状況を観測するための監視カメラ電源として、弊社のDMFC燃料電池+太陽光ハイブリットシステムが採用されました。
日本海側の冬は、豪雪・低温・慢性的な日照不足が重なる過酷な環境です。加えて風車周辺への商用電源の引き込みは困難であり、仮に風車本体から電源を引こうとしても落雷時の雷サージの影響を受けるリスクがあるため、監視機器の独立した電源確保が不可欠でした。太陽光発電のみでは積雪や日照不足による発電量不足が避けられない状況でもあり、複数の課題が重なる現場でした。今回のシステムは、そうした厳しい現場条件を踏まえたうえで、短期レンタルによる柔軟かつ確実な電力供給を実現しています。
本システムの電源構成は3段階の優先順位で設計されています。まず、日照がある時間帯は太陽光発電が優先的に稼働し、再生可能エネルギーを最大限に活用しながら燃料消費を抑えた効率的な運用を行います。日照が得られない降雪・曇天・夜間には、DMFC燃料電池が主電源として自動的に切り替わり、安定した電力供給を途切れなく継続します。そしてその主電源に万が一のトラブルが発生した場合でも、副電源が即座に電力を補うため、監視カメラへの給電が止まることはありません。この3段階の冗長構成こそが、「記録が止まってはいけない」着雪監視の現場において、本システムが選ばれた最大の理由です。
また、今回のように観測・監視期間が季節限定で明確に定まっているケースでは、設備を購入するよりも短期レンタルの活用が合理的です。必要な期間だけ必要な設備を確保でき、設置・撤去も含めたトータルサポートにより、お客様の現場負担を最小限に抑えることができます。本システムは小型の燃料電池を採用しているため、資材の運搬も大がかりになりません。天候に恵まれれば設置工事は1日で完了でき、現地への負担を極力かけない、最低限かつ十分な電源構成として風力発電サイトの厳しい現場条件にも柔軟に対応します。
厳冬期においても、システムは安定して稼働し続けました。設置から撤去まで2カ月間・無停電での連続稼働を達成。着雪観測データの取得を、最後まで支え続けました。