概要
なぜ300W表記?DMFC燃料電池「800Wスタック」の開発裏話|NTシステムズ
NTシステムズのホームページでは、風況観測用DMFC燃料電池システムの連続外部出力を「300W」とご案内しています。
しかし、実はこの「300W」という数字だけでは、当社の燃料電池が持っている本来の能力をすべて表しているわけではありません。
当社が採用しているDMFC(ダイレクトメタノール型燃料電池)のスタックは、初期状態では最大約800Wの発電能力を持っています。
さらに、システムとしても最大500W級までの出力に対応できる設計となっています。
それでは、なぜNTシステムズは「500W」ではなく、あえて「300W」と掲載しているのでしょうか。
理由は「最大出力」よりも「観測を止めないこと」を優先しているから
燃料電池は、メタノールから電気をつくる過程で電力だけでなく熱も発生します。
そのため当社のDMFC燃料電池システムには、内部温度を適正に保つための冷却ファンが搭載されています。
内部温度が上昇するとファンの回転数も上がり、冷却のためにシステム自身が使用する電力も増加します。
仮に燃料電池の能力を限界近くまで外部機器へ供給している状態で冷却ファンが最大運転すると、ドップラーライダーなどへ供給する電力の余裕が小さくなってしまいます。
NTシステムズが最も重視しているのは、
「カタログ上の最大出力を大きく見せること」
ではありません。
厳しい自然環境の中でも、ドップラーライダーへの電力供給を安定させ、観測を止めないこと。
そのため、冷却ファンなどの内部消費電力や運転余裕を考慮し、ホームページでは安全側の数値として300Wを基準にご案内しています。
実は冬こそ、DMFCの能力を活かしやすい
当社の燃料電池システムが活躍するのは、主に積雪や低温によって太陽光発電だけでは十分な電力を確保しにくくなる冬季です。
冬季は外気温が低いため、燃料電池内部の熱も外気によって冷却されやすくなります。
その結果、条件によっては冷却ファンを常に最大出力で回す必要がなく、システムが本来持っている発電能力をより有効に利用できるケースがあります。
つまり、
スタック能力:約800W
システム出力:最大500W級まで対応可能
標準的な安定運用の目安:300W
という考え方です。
300Wという数字は、燃料電池の能力不足から決めた数字ではありません。
むしろ、過酷な観測現場で長期間使用してきた経験から設定した「安定運転を優先した数字」です。
300Wを超える電力が必要な場合もご相談ください
「ドップラーライダーと融雪装置を同時に運転したい」
「冬季だけ消費電力が大きくなる」
「300Wを超える機器を独立電源で動かしたい」
「商用電源のない山間部で長期間観測したい」
このような場合も、ぜひNTシステムズへご相談ください。
使用する機器の消費電力、負荷変動、設置場所の気温、積雪条件、太陽光発電量などを確認し、燃料電池・蓄電池・太陽光発電を組み合わせた最適な独立電源システムをご提案します。
購入ではなく「レンタル」で導入できます
NTシステムズでは、DMFC燃料電池システムをレンタルでご利用いただけます。
燃料電池を購入することなく、必要な観測期間に合わせて導入することが可能です。
また、機器をお貸しするだけではありません。
システム設計、現地への搬入・設置、燃料補給、遠隔監視、保守点検、撤去まで、風況観測の現場を熟知したNTシステムズがサポートします。
私たちが提供したいのは、単なる「500Wの燃料電池」ではありません。
商用電源のない場所でも、観測を止めないための電源環境です。
DMFC燃料電池を使った独立電源をご検討の際は、ぜひNTシステムズへお問い合わせください。
※最大出力および連続運転可能な出力は、外気温、燃料電池内部温度、負荷変動、蓄電池の状態、設置環境等によって異なります。300Wを超える負荷での使用については、事前に当社で使用条件を確認したうえでシステム構成をご提案します。