case39

工場内鳥害対策に向けたガルバノメータ式レーザー制御システムの開発

概要

ガルバノメータ式レーザー制御システムの開発
工場・施設内の鳥害対策を目的とした、自動スキャン型レーザー制御装置

NTシステムズでは、工場・倉庫・屋外設備などにおける鳥の侵入・滞留対策を目的として、**ガルバノメータ式レーザー制御システム**を開発しました。
本システムは、レーザー光を高速かつ精密に制御するガルバノメータ機構を用い、指定した範囲内にレーザーを自動走査させることで、鳥が嫌がる視覚刺激を与えることを目的とした装置です。
従来の固定式忌避装置とは異なり、照射エリア、スキャンパターン、稼働時間を現場に合わせて柔軟に設定できるため、工場・倉庫・屋外設備など、さまざまな環境に対応できます。
さらに本システムは、**パソコンだけでなくAndroid携帯からの操作にも対応**しています。
現場にいながらスマートフォンでレーザーの起動・停止、スキャン操作、緊急停止、スケジュール確認などを行えるため、日常点検や現場対応の負担を大きく軽減します。

鳥害対策を、もっとスマートに
鳥害対策で重要なのは、単に鳥を追い払うことではありません。
現場の安全を守りながら、必要な範囲に、必要な時間だけ、効率よく対策を行うことです。
本システムでは、ブラウザ上の操作画面からレーザーの照射範囲や動作パターンを設定できます。専用ソフトをインストールする必要がなく、Chrome、Firefox、Edgeなどの一般的なブラウザから操作可能です。
また、Android携帯からも操作できるため、現場担当者は制御盤やパソコンの前に戻らなくても、その場で状態確認や操作を行うことができます。

ブラウザから直感的に操作できる制御画面
本システムは、PCまたはRaspberry Pi上で動作する制御サーバーと、マイコン制御部を組み合わせた構成です。
制御画面では、以下のような操作を一括して行えます。
・レーザーのON/OFF
・ミラーの原点復帰
・手動移動
・スキャン開始・停止
・緊急停止
・スキャンパターンの選択
・照射除外エリアの設定
・週間スケジュール設定

システム構成としては、Seeeduino XIAOがレーザーおよびステッパーモーターを直接制御し、Flaskサーバーがブラウザ画面とマイコン間の通信、スケジュール管理を担います。
これにより、現場担当者が複雑な操作を覚えなくても、画面を見ながら直感的に操作できるシステムとしています。

照射したくない範囲を除外できるマスク機能
レーザーを使用するうえで重要なのは、必要な範囲だけに安全かつ確実に照射することです。
本システムでは、画面上のキャンバスに対して、照射したくない範囲を「マスク」として設定できます。
設備、通路、作業エリア、監視対象外エリアなどを除外することで、現場環境に合わせた照射範囲の調整が可能です。
マスクは、ペイント、消しゴム、矩形指定、数値入力など複数の方法で設定できます。設定内容はブラウザを閉じても保存されるため、日常運用でも扱いやすい設計です。

鳥が慣れにくい複数のスキャンパターン
鳥害対策では、同じ刺激を繰り返すだけでは鳥が慣れてしまう可能性があります。
そのため、本システムでは、標準的な往復走査に加え、ランダム走査、断続照射、中央へ追い込むような収束走査など、複数のスキャンパターンを搭載しています。
また、走査速度の変化、スキャンパターンの自動切替、スケジュール時刻のランダム化にも対応しています。
予測しにくいレーザーの動きによって、鳥に慣れさせにくく、忌避効果の維持を狙った制御が可能です。

工場の稼働時間に合わせた週間スケジュール運用
本システムは、手動操作だけでなく、曜日ごとの自動スケジュール運用にも対応しています。
例えば、月曜日から金曜日の9時から17時まで稼働し、土日は停止するといった設定が可能です。
工場や倉庫の稼働時間に合わせて自動的にスキャンを開始・停止できるため、担当者が毎回操作する手間を減らすことができます。
スケジュールモードは、連続運転、一定間隔での定期運転、指定時刻での運転、週間スケジュール運転に対応しており、現場の運用条件に合わせた設定が可能です。

Android携帯からの現場操作に対応
今回、現場での使いやすさをさらに高めるため、Android携帯からも操作できるようにしました。
これにより、現場担当者はパソコンの前に移動しなくても、スマートフォンからシステムの状態確認や操作を行うことができます。
特に、広い工場敷地、屋外設備、倉庫、港湾施設、発電所設備などでは、現場を確認しながらその場で操作できることが大きなメリットになります。
Android携帯から操作できることで、日常点検、試運転、緊急停止、スケジュール確認などの対応がよりスムーズになります。

安全停止機能を重視した設計
レーザーを使用する装置であるため、安全面にも配慮しています。
制御画面には緊急停止ボタンを常時表示し、異常時には即座に停止操作ができるようにしています。
また、サーバー側に異常が発生した場合でも、マイコン側のウォッチドッグ機能により、一定時間後にレーザーを自動停止する設計としています。
さらに、スキャン開始前には原点復帰を行い、ミラー位置を基準点に戻してから動作を開始します。長時間運用時の位置ずれを抑えるため、自動ホーミング機能も搭載しています。

このような現場に適しています
本システムは、以下のような場所での活用を想定しています。
工場、倉庫、資材置き場、発電所設備、屋外プラント、港湾施設、太陽光発電所、風力発電関連設備、鳥の滞留や糞害が問題となる施設などです。
特に、鳥の侵入により、設備汚損、衛生問題、点検作業への支障、カメラ・センサー類への影響が懸念される現場において、既存設備と組み合わせた鳥害対策の一つとして提案可能です。

NTシステムズの現場対応力を活かした開発
NTシステムズは、風況観測鉄塔、ドップラーライダー、独立電源、遠隔監視システムなど、屋外環境で使用される観測設備の設計・設置・運用に関わってきました。
今回のガルバノメータ式レーザー制御システムは、こうした観測・制御・遠隔監視のノウハウを活かし、現場の困りごとを解決するために開発した装置です。

単なるレーザー装置ではなく、
**「現場で使えること」**
**「安全に止められること」**
**「遠隔・スマートフォンで管理できること」**
**「施設ごとに柔軟に設定できること」**
を重視した、NTシステムズならではの実用型システムです。

今後もNTシステムズでは、観測設備だけでなく、現場で発生するさまざまな課題に対して、制御技術・監視技術・独立電源技術を組み合わせた実用的なシステム開発を進めてまいります。


Contact us

NTシステムズへのお問い合わせは、電話またはメールフォームから
03-5256-7725
受付|平日 9:00 〜 18:00